我は海の子 半切2/3×3枚
金魚の昼寝 半紙2枚
降雨時節を知る 色紙
夏木立故郷近くなりにけり 色紙
ひとりゆく夏山路の茂り葉は
日影もらざす吾をつからしむ 半切
一群の鮎眼を過ぎぬ水の色 36×32cm
渓川のたぎつしぶきにぬれ居つゝ
釣りする人は涼しかるらし 半切1/2
草原を歩き続けてあしたより
一人の人に逢うこともなし 半切1/2
青々と芹に
とざせる川筋は
細く流れて
かそけき水音
半切1/3
枝繁者蔭根
半切1/4
渓行愛緑苔
半切1/4
@「われは海の子」 文部省唱歌 尋常小学校読本唱歌
1.われは海の子白浪の さわぐ磯辺の松原に 煙たなびく苫屋こそ 我がなつかしき住家なれ
2.生まれて潮に浴みして 浪を子守の歌と聞き 千里寄せくる海の気を 吸いて童となりにけり
3.高く鼻つく磯の香に 不断の花の香りあり なぎさの松に吹く風を いみじき楽と我は聞
A「金魚の昼寝」 鹿島鳴秋
1.赤いべべ着た可愛い金魚 お眼々をさませば 御馳走するぞ
2.赤い金魚はあぶくを一つ 昼寝うとうと 夢からさめた
B「夏木立故郷近くなりにけり」 正岡子規
C「好雨知時節」(こううはじせつをしる) 杜甫(とほ、712年−770年)中国盛唐の詩人
良い雨はしかるべき時を知って降る
D「一群の鮎眼を過ぎぬ水の色」 正岡子規
群れ泳ぐ鮎が、眼の前の清流をさっと泳ぎ過ぎた、という句であるが、その鮎の泳ぐ水の色に着目したのがこの句の主眼である。
E「ひとりゆく夏山路の茂り葉は日影もらさず吾をつからしむ」 清成百男
F「渓川のたぎつしぶきにぬれ居つゝ釣する人は涼しかるらし」 清成百男
たぎ・つ【滾つ・激つ】水が激しく流れる。水が逆巻きうねる。
G「草原を歩き続けてあしたより一人の人に逢うこともなし」 清成百男
H「青々と芹にとざせる川筋は細く流れてかそけき水音」 清成百男
I「枝繁者蔭根」(えだしげきものは ねをおおう)三國志 卷二十魏書
枝がいっぱいついている木は根がしっかりついている
J「渓行愛緑苔」(たにゆきて りょくたいをあいす) 趙冬曦
渓谷に遊んでみどりの苔を喜ぶ
「創の心 五人展」を最後までご覧いただきありがとうございました。 大分市 小関青華
(1905-1958 竹田市)
(1867-1902 松山)
かそけし【幽し】光・色や音などがかすかで、今にも消えそうなさま。
(1891-1954 東京都)