竹田市大野郡緒方町のてっぺん祖母山は、深い原生林に覆われ深く刻まれた谷には清冽な水が流れていて、いくつかの滝もある。原生林にはブナやツガなどの大木が茂り、祖母の名称とは裏腹に男性的な山だ。祖母山の神様は神武天皇の祖母にあたる豊玉姫と伝えられていることから山名になったらしい。南の宮崎県側は天の岩戸伝説で有名な高千穂町で、山全体がご神体のような感じがする。
 いくつかの登山口があるが、今回は竹田市の神原地区から登った。竹田市から神原地区まで定期バスが運行されているが、自家用車で行けば1合目の滝近くの駐車場まで行ける。
 登山道や標識は整備されているが、台風のため風倒木が多く、5合目の滝まで行くのにも大変だった。5合目の小屋から国観峠までは胸突き八丁と言った表現そのもので、これでもかとばかり急な登りが続く。国観峠に着くとホッとするが祖母山頂まではまだ1時間以上かかる。山頂は開けていて晴れていればくじゅう連山や阿蘇山など展望できる。昨年登った傾山からの展望を紹介する  
竹田市・緒方町 祖母山(1,756.4m)

2004年9月25日






山登り掲示板へ 市町村の山へ

私の評価 登山道 標識整備 山道展望 山頂展望 草花自然 運動量等 周辺整備 温泉施設
★★★ ★★★★★ ★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★★
祖母山地図(クリックして拡大)  竹田市から日本の名水百選に選ばれている竹田湧水群のある入田地区を通り、県道竹田五ヶ瀬線を神原渓谷の標識に向かって進む。
 神原地区から広い道路を少し進み、祖母山登山口の標識を左に入る。
 地図をクリックすると拡大表示


−1−
 1合目の滝近くにある祖母山登山口の駐車場。神原地区から3kmほどあり、狭いが舗装された道がある。
 下山後、帰ろうと車に乗り込んだ時、駐車場の降り口からかわいい2頭の子鹿がのぞき込んでくれ疲れが吹き飛んだ。


−2−
 駐車場から少しの間舗装された林道を登る。
 登山道は九州自然歩道になっているので、環境省の案内表示が設置されている。


−3−
 1合目の滝音を右に聞き、橋を渡って少し登ると左方向に山道があり、登山口の案内表示がある。
 ここから山頂までは4.2kmとなっている。

−4−
 登山道そのものは整備されているのだが、台風による杉の風倒木であちこちで寸断されている。
 下山時この少し上では登山道がわからなくなる程倒れ込んでいた。


−5−
 川沿いを5合目の小屋まで登っていくが、このあたりの道はあまり勾配が急でなく歩きやすい。
 連日の雨のため川の水量は多いが、濁りも少なくきれいだ。


−6−
 5合目の滝(御社の滝)は神原渓谷ではもっとも上流にある滝で落差もかなりあり美しい。
 紅葉の時期はここまではハイキング気分で登られると思うので、風倒木の整理を早くしてほしい。

−7−
 5合目の小屋まで登山口から40分ほどかかった。
 この裏側に川があり、ここで水を汲んで登るとこれからの急登に助かる。
 小屋の内部は二部屋に分かれていて宿泊もできる。

−8−
 5合目の小屋の上部は新しい木の階段が作られていて歩きやすいが、この先も風倒木が登山道を遮り、エスケープルートを余儀なくされる。


−9−
 杉の植林を過ぎる頃川を横切らなければならない。
 この日は水量が多かったので、向こう岸の標識をめがけて滑らないように慎重に渡る。


−10−
 川を渡った頃から登山道の勾配はだんだんと厳しくなり、国観峠まで我慢して登らなければならない。
 祖母山頂まで2.4kmの表示がある。


−11−
 九州自然歩道の標識は国観峠まで200mごとに設置されているが、その200mがなかなかクリアできない。


−12−
 登山道の真ん中に大きなツガの木やブナの木が現れるようになり、登りもますますきつくなる。
 あまり長いものはないが所々にはしごやロープもある。


−13−
 手作りの7合目標識があり、山頂まであと1時間30分と書かれている。しかし、2時間ほどかかった気がする。
 少しすると祖母山頂まであと1.6kmの標識がある。


−14−
 今まで少なかったヒメザサが登山道を覆うようになってくると、国観峠が近くなる気がする。
 登山道脇にはいろいろな色のキノコが多く生えている。


−15−
 7合目と国観峠の間には「いのち水」と呼ばれるわき水が岩の割れ目からしみ出している。
 マグカップが取り付けられていて助かる。

−16−
 竹田市職労も標識をいくつか設置してくれていて助かる。
 国観峠への標識の近くから、少し左に登ると北側が開けた展望所がある。
 帰り際阿蘇猫岳が雲の合間から少し見えた。

−17−
 やっとの思いで国観峠に到着だ。峠と言っても開けた草原で、峠といった感じはない。ここから山頂方向が展望できる。
 ここでは高千穂町の北谷からの登山ルートが交わる。


−18−
 国観峠から緩やかに登っていくと10分ほどで8合目の標識がある。
 山頂まではあと1kmほどで、標識には宮崎県と書かれている。


−19−
 8合目の標識から約500m、40分ほど歩くと9合目の標識がある。
 山頂までは500m弱、もう一息だが勾配はきつくなる。


−20−
 途中9合目の小屋への分岐があり、小屋の近くには水場もあるが遠回りになるので山頂へと急ぐ。
 途中の窪地は歩きにくいが、山頂近くなると岩のかけらが多くなる。


−21−
 あえぎながら少し回り込むと尾平登山口から天狗を登る登山道と合流し、山頂の祠が見えてくる。祖母山の山頂だ。国観峠から1時間30分ほどかかった。
 山頂は小さな広場になっていて、展望がよいのだが、この日は曇っていて全然だめだった。しかし、周りに咲くリンドウが美しく、慰めてくれた。

−22−
 帰り道9合目の小屋への分岐を右に取り、9合目の小屋経由で降りる。



−23−
 9合目の小屋はログハウス調で、屋根には太陽光発電のパネルがあり、風力発電の施設もあるようだ。
 室内はきれいで有料で宿泊できる。


−24−
9合目付近で見つけたママコナ 祖母山頂に咲くリンドウ 岩陰に咲くアキノキリンソウ 国観峠付近のアザミ
椎茸と間違えるツキヨタケ(毒)

前回の山(九重町 崩平山)   山登りサブへ  次の山(佐伯市 場照山)