仙台行きの航空券を手に入れ、今回はどこに行こうかと考えたが、まだ蔵王の山に登っていないとの思いから、1日の午後、仙台空港からレンタカーで蔵王に向かった。
 蔵王山なるものを探したが見あたらず、刈田岳、熊野岳、地蔵岳、五色岳などお釜の周りを蔵王と呼んでいるらしい。蔵王の山が宮城県なのか山形県なのか、蔵王温泉がどこにあるのかなどほとんど知らなかったが、行ってみて初めて知った。
 簡単に説明すると、刈田岳、御釜、五色岳までが宮城県、最高峰の熊野岳(1840m)や地蔵岳は山形県になる。また、蔵王温泉は山形市内にあり、そこからロープウエイが3、4路線山頂方向にのびていて、スキー場がたくさんある。宮城県側には蔵王町があるが、ここの温泉地は遠刈田温泉と言い、蔵王温泉ではない。要するに、宮城県と山形県の境の山間部全体を蔵王と思えば間違いないみたいだった。
 1日は山形県側の蔵王温泉にある「蔵王パストラル」に泊まり、2日の朝9時過ぎから刈田岳、熊野岳、地蔵岳、三宝荒神山と縦走し、刈田岳の駐車場に戻った

蔵王のお釜と熊野岳
2001/9/2

















蔵王の地図  蔵王には多くのドライブコースがある。宮城県蔵王町から山形市に抜けるのが、蔵王エコーライン。エコーラインの山形側登り口から蔵王温泉までが、蔵王ライン。また、蔵王温泉から山形道の山形蔵王ICにのびる西蔵王高原ラインもある。この日は、蔵王エコーラインの峠から刈田岳山頂付近まで延びる、蔵王ハイライン(520円)を利用した。  三階の滝  宮城県の蔵王町から、蔵王エコーラインを登っていくと、いくつかの滝が見られる。
 この滝は三階の滝といわれ、滝壺が三段になって落ちている。後ろに見えている山が蔵王の山々につながっている。
 近くの地蔵滝には蟹とウナギにまつわる民話が残っている。
蔵王のお釜  蔵王といえば、なんと言ってものこの「お釜」。
 エメラルドグリーンの湖は何ともいえない魅力に満ち、多くの観光客を引き寄せている。(←クリック
 ちなみに、途中の食堂で見た釜飯屋の看板には「お釜飯」と書いていたし、泊まった蔵王パストラルの夕食にも釜飯がついていた。
刈田岳山頂  刈田岳山頂(1,758m)までは、駐車場からわずか300mくらい。
 ハイキングとも言えないくらいの近距離で、ハイヒールで登っている人も多い。 お宮は刈田嶺神社
お釜と馬の背  刈田岳山頂から見る熊野岳山頂とお釜。
 お釜の外側の縁が馬の背と呼ばれており、山頂は見えているものの結構時間がかかる。
リンドウと蜜蜂  馬の背付近はコマクサの花が有名だが、この時期はエゾオヤマリンドウの花がたくさん見られきれいだった。(花の左は蜜蜂)
 クリックすると群生が見られます。
馬の背を歩く  キリンソウやヤマハハコの花が咲く登山道を行く。
 柱のように見えるのは、積雪時用の道標で、登山口からずっと続いている。
熊野岳避難小屋  熊野岳山頂付近の避難小屋。
 この日はいい天気に恵まれたが、冬場には遭難した人もあり、近くには慰霊碑も建っていた。
熊野岳山頂  熊野岳(1,841m)の山頂。
 刈田岳と同じようにお宮(蔵王山神社)があり、信仰の山だったことが窺える。
 お宮の反対側には斉藤茂吉の歌碑がある。
地蔵岳への登山道  熊野岳を下り、地蔵岳へと向かう。
 下りはゴロゴロした岩が多く、危ない。帰りは右側手前に延びる縦走路を歩いた。(クリックして640×480に)
 この日は天気が良かったせいか多くの人が登っていた。
地蔵岳への木道  地蔵岳への登山道は一部木道が敷かれており、山頂付近は石を積み、ゆるい階段状に整備されつつあった。 地蔵岳山頂  地蔵岳の山頂は木陰もなく、石がゴロゴロしており、遠くからの感じとはずいぶん違っていた。
ロープウエイ地蔵山頂駅 地蔵山頂から見る蔵王ロープウエイ山頂駅と三宝荒神山(1,703m)。遠くには月山や鳥海山が見えるはずだが、この日、遠くの山は雲に隠れていた。 三宝荒神山  ロープウエイの山頂駅から三宝荒神山への遊歩道は整備されており、家族連れや観光客で賑わっていた。
 この山頂からも太平洋と日本海が見渡せそうだった。
アザミにとまる蝶  ザオウアザミにとまる蝶。
 7月から8月中旬までが盛りのアザミの花を惜しむかのように花から花へ移っていた。
トンボ  三宝荒神山頂のトンボ。
 かなり高い山だが、トンボや蝶、蜂などなどたくさんの昆虫が見られた。
樹氷となる木々  冬になれば雪に覆われ、蔵王名物の樹氷になる木々は風や雪にも負けないよう、短い夏をしっかり生きていた。 縦走路  帰りの道は熊野岳を右に見ながら、縦走路をたどり、お釜へと向かった。

前回の山(由布岳)  ホームへ 山歩きサブメニューへ 次回の山(草紅葉の尾瀬)